【がん・基礎研究】リンパ液は転移するメラノーマ細胞がフェロトーシスをおこすのを防ぐ(名古屋大学・豊國伸哉)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32814895/
Nature. 2020 Sep;585(7823):113-118. doi: 10.1038/s41586-020-2623-z.
Lymph protects metastasizing melanoma cells from ferroptosis.
がんの転移にはリンパ行性と血行性があるのが知られるが、今回、リンパ液にはがん細胞がフェロトーシスを起こすのを防ぐ作用があることが一連の実験で示された。ヒトあるいはマウスの悪性黒色腫(メラノーマ)細胞を使用した実験で、がん細胞は血中にいるより、リンパ液にいた方が受ける酸化ストレスが少ないという。メカニズムとして、リンパ液においては、グルタチオンとオレイン酸の濃度が高く、触媒性鉄含量が少ないからだと論理づけた。(文責:名古屋大学・豊國伸哉)