【がん・基礎研究】喫煙と飲酒の組み合わせの血中カルボニル化合物への影響(和歌山県立医科大学・牟礼佳苗)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34445749/

Int J Mol Sci. 2021 Aug 22;22(16):9043. doi: 10.3390/ijms22169043.

The combination of cigarette smoking and alcohol drinking synergistically increases reactive carbonyl species in human male plasma

 

発がんとの関連が報告されているカルボニル化合物(Reactive Carbonyl Species, RCS)について、男性40人の血液をLC/ESI-MS/MSで測定し、41種類のRCSを同定しました。年齢とBMIを共変量とした共分散分析により、喫煙と飲酒の組み合わせ群で、9種類のアルカナール(propanaloctanalnonanaldecanalundecanaldodecanaltridecanaltetradecanaloctadecanal)、1種類の芳香族アルカナール(benzaldehyde)、1種類のシス‐4‐アルケナール(cis4decenal)、3種類のアルカジエナール (2,4hexadienal2,4heptadienal2,4decadienal)に加えて、リシンやヒスチジン、システインなどのペプチドやタンパク質、さらに核酸とマイケル付加体を形成するトランス-2-アルケナール5種類(2hexenal2octenal2nonenal2-decenal2undecenal) が、どちらか一方の生活習慣を有する群、あるいは両方の生活習慣を有しない群に比して、最も高い量で同定されました。これらの結果により、喫煙と飲酒という生活習慣の組み合わせにより、RCSの血中濃度が相乗的に増加していることが明らかになりました。(文責:和歌山県立医科大学・牟礼佳苗)