役員


評議員

石川 秀樹(京都府立医科大学)
伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学)
岡田 太(鳥取大学)
小川 久美子(国立医薬品食品衛生研究所)
鎌田 智有(川崎医科大学)
郡山 千早(鹿児島大学)
清水 雅仁(岐阜大学)
鈴木 秀和(東海大学)
髙橋 真美(国立がん研究センター研究所)
塚本 徹哉(藤田医科大学)
豊國 伸哉(名古屋大学)
中山 富雄(国立がん研究センター)
野村 幸世(東京大学)
堀 美香(名古屋大学)
松田 尚久(東邦大学医療センター大森病院)
間部 克裕(まべ五稜郭消化器・内視鏡クリニック)
武藤 倫弘(京都府立医科大学)
牟礼 佳苗(和歌山県立医科大学)
渡邉 俊雄(大阪公立大学)
磯本 一(鳥取大学)
岩崎 基(国立がん研究センター)
岡本 耕一(徳島大学)
梯 アンナ(大阪公立大学)
栗木 清典(静岡県立大学)
枝園 忠彦(岡山大学)
酒々井 眞澄(名古屋市立大学)
髙橋 智(名古屋市立大学)
高山 哲治(徳島大学)
戸塚 ゆ加里(日本大学)
内木 綾(名古屋市立大学)
西野 善一(金沢医科大学)
広瀬 俊治(東海大学)
堀中 真野(京都府立医科大学)
松本 主之(岩手医科大学)
宮本 真吾(京都府立医科大学)
村上 明(兵庫県立大学)
森岡 孝満(放射線医学研究所)
鰐渕 英機(大阪公立大学)

名誉会員

浅香 正博
大東 肇
垣添 忠生
北川 知行
小林 博
田島 和雄
谷口 直之
津田 洋幸
徳留 信寛
富永 祐民
西野 輔翼
福島 昭治
細川 眞澄男
森 秀樹
渡辺 民朗

功労会員

秋田 弘俊
今井田 克己
柿沼 志津子
古野 純典
小林 正伸
酒井 敏行
杉江 茂幸
竹下 達也
田澤 賢次
田中 卓二
津金 昌一郎
中江 大
中釜 斉
樋野 興夫
松浦 成昭
武蔵 学
吉見 直己
若林 敬二

副理事長 岡田 太(鳥取大学)

日本がん予防学会は、基礎研究に加えて臨床研究と疫学研究の3つの研究領域によって担われています。がん予防の実践には、これらの研究領域を支える研究者間の交流と協力が円滑に進むことが必要です。加えて、若手研究者の育成も喫緊の課題となりました。私は石川理事長を支え、これらの課題を乗り越えて本会がさらに発展するよう力を尽くしたいと思います。


理事 伊藤 ゆり(大阪医科薬科大学)総務・広報委員会

この度、新理事に着任させていただきありがとうございます。歴史ある日本がん予防学会において、がん予防の情報発信に関して貢献できれば幸いです。2021年に日本がん予防学会より推薦を受け、屋内完全禁煙の飲食店を応援する会「ケムラン」の代表者として日本対がん協会賞を受賞いたしました。職場での受動喫煙を予防するための活動として、市民参加型ヘルスプロモーションとして取り組む活動について、ご評価いただきご推薦いただきましたこと感謝申し上げます。
私は学生の頃からがん登録資料を用いた記述疫学研究をメインの研究テーマとして取り組み、大阪府や国のがん対策に寄与するデータ分析を行っています。また、大阪国際がんセンターや現職の大阪医科薬科大学においては、がんに関連する基礎・臨床・疫学・看護の研究者に対する統計支援や共同研究を行ってきました。がんの制圧においては、各領域の研究者との連携・協働が求められます。
また、がん予防においても、従来の一次予防・二次予防だけでなく、がん経験者に対するがん予防というサバイバーシップの視点も重要だと考えています。がん患者さん、ご家族、市民の皆様との協働も欠かせないと考えています。日本がん予防学会においても、研究者だけのソサエティにとどまらず、多様な方々とがん予防について考え、発信していくことも大切だと考えています。
さらに、第4期がん対策推進基本計画において、目標として掲げられている「誰一人取り残さないがん対策」という健康格差の視点について、今後のライフワークとして取り組んでいきます。がん予防は格差縮小に向けての要となる取り組みです。この学会においても、がん対策における健康格差の視点を取り入れ、皆様と課題に取り組むことができれば幸いです。
今後は、データサイエンスや疫学・公衆衛生のバックグラウンドを活かして、がん予防の実践や情報発信に力を入れて、分野を盛り上げ、若手研究者の育成にも尽力したいと思います。学会の諸先輩方にご指導いただきつつ、学会に貢献できれば幸いです。


理事 岩崎 基(国立がん研究センター)疫学系がん予防委員会

本学会は、主に基礎・疫学・臨床分野においてがん予防に取り組む研究者で構成されています。新たながん予防法を開発し、社会に普及・実装するためには、多分野の研究者の連携が必須です。私は、観察疫学研究を専門とする立場から、分野横断的ながん予防研究の体制構築と実践に貢献したいと考えています。


理事 鈴木 秀和(東海大学)がん予防臨床試験推進委員会 / がん予防トライアル支援委員会

科学的根拠に基づく、がん予防を、効果的かつタイムリーに実現するためには、がんの予防に関連するエビデンスをさらに収集し、可能な限り予防的介入で、がんを予防する提言を発信することが不可欠です。私は、2017年度から日本がん予防学会の理事として、がん予防臨床試験推進委員会(旧臨床的がん予防小委員会)を担当してきました。本委員会では、日本人のがん予防研究からのエビデンス創出を強化するため、特に予防介入シーズ育成基盤を新たに構築するため、「がん予防トライアル支援委員会」を発足し、石川秀樹理事長、武藤倫弘理事の他に、東京大学の松山裕先生(統計)、国立成育医療研究センターの掛江直子先生(倫理、法律)、国立がん研究センターの山本精一郎先生(統計、疫学)に委員として加わっていただき、全国から応募された、がん予防シーズの研究計画をコンセプトシートの前段階から吟味し、POC試験までの育成を行い、研究実施への橋渡しすることを目標にしています。つまり、ハイリスク群をターゲットとした予防介入シーズの研究計画の段階からコンサルテーションを行う仕組みが開始されたのです。その後、未曾有のコロナ禍で世の中が大きく変貌し、昨今では、さらに、がん予防臨床試験、とくに介入型予防試験を個々の施設や個々の研究者で展開することは難しくなってきました。日本がん予防学会の会員の皆様には、積極的に委員会にご提案をあげていただき、ご提案いただいた個々のプロジェクトを学会全体で推進していこうと思いますので、何卒宜しくお願い申し上げます。


理事 高山 哲治(徳島大学)編集委員会・COI管理

この度、日本がん予防学会の理事に選出して頂きました徳島大学消化器内科の高山哲治と申します。私は、日々消化器がん患者さんを診療している医師です。これまでの消化器領域におけるがん予防としては、やはり我が国でヘリコバクター・ピロリの除菌療法が承認されて胃がんが大幅に減少したこと、またC型肝炎治療薬が開発、普及されて肝臓がんが減少したことが大きな成果と思います。一方、私は切除不能進行消化器がんの化学療法にも従事しています。がん治療における最近の話題は、何といってもがん遺伝子パネル検査(ゲノム医療)と思います。がん遺伝子パネル検査は2019年に保険承認され、毎年検査件数が増加しています。まだまだドライバー遺伝子変異に対する有効な薬剤が治療に用いられる症例は多くありませんが、徐々に分子標的薬剤の数も増加して個別化医療が進んでいると思います。がん予防の領域においても、「がんの個別化予防」が求められていると思います。つまり、個々人によって、変異の生じやすい遺伝子があり、罹患しやすいがん種があり、それらに応じた予防が必要になってくると思います。そのためには、各種がんにおける前がん病変や発癌機序(経路)の解明が重要であると思います。以上のような観点でがん予防に取り組んでいければと考えております。
私は、本学会においてニュースレターの作成を担当しております。今年から、数名の評議員の先生方にニュースレター担当委員をお願いし、執筆者を選んで頂いてニュースレターを作成することになりました。もしご執筆を依頼された際には、是非とも引き受けて頂ければと思います。また、私は利益相反(COI)の担当もしております。毎年、評議員を含む役員の先生方にはCOIの有無を申告して頂いております。ご協力のほどよろしくお願いいたします。


理事 豊國 伸哉(名古屋大学)基礎系がん予防委員会

この度、日本がん予防学会の理事に選出いただきました。御礼を申し上げます。私の立場は病理専門医・実験病理医であり、これまで動物モデルを中心とした解析により発がん機構の解明を実施してまいりました。私の立ち位置を十分に活かしながら、日本におけるがん予防に寄与していきたいと考えております。米国では大腸癌などのがんがすでに制圧されつつあるとの報告もありますが、これは50歳における年金とからめた大腸癌内視鏡全員実施の寄与が大きいことも分かってきています。今、日本において、がんの発生を予防したり、遅らせたり、また悪性度を低くするのにできるのは何か、これをつきつめて考え、新たな情報を提供していきたいと思います。


理事 武藤 倫弘(京都府立医科大学)がん予防認定・研修委員会 / スマートミール・コンソーシアム

日本がん予防学会の行う活動として、日本国民への「正しいがん予防知識の普及」を掲げています。そのため、がん予防の指導、教育、講演ができる人材の育成を目的とした「がん予防セミナー」を行っています。同時に「日本がん予防学会認定がん予防エキスパート」の称号授与も行っています。認定されたエキスパートが一般市民などを対象としたセミナーを行うことにより正しいがん予防知識が普及することを目指しています。


監事 髙橋 智(名古屋市立大学)

この度、監事を拝命しました名古屋市立大学の高橋智です。監事として二期目になりますが、日本がん予防学会の責務であるがん予防研究の推進、一般市民に対するがん予防に関する啓蒙活動を通して、学会運営のさらなる安定化に向けて尽力する所存でおります。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。


監事 中山 富雄(国立がん研究センター)

このたび、本学会の監事に就任させていただきました。わたくしのような若輩が本学会の重要なポジションが務まるか甚だ不安ではございますが、尽力していきたいと存じます。
わたしは、大阪府立成人病センター(現大阪国際がんセンター)、国立がん研究センターで、がん疫学という観点からがん対策・がん予防(特に二次予防)について研究と実践を重ねてきました。大阪では肺がんを中心に活動してきましたが、国立がん研究センターでは様々な臓器のがん検診手法の評価から、バイオマーカーの評価にも関わっています。
がん予防は疫学研究によるリスクファクター・プロテクトファクターの探求から、化学予防のスクリーニング・開発、候補薬剤の介入研究が少しずつ行われるようになってきましたが、その速度は期待されたものには到達していません。最近のがん治療薬の開発はすさまじく生存期間の大幅な延長を来していますが総じて高額であり、国の保健医療制度を損ないかねないものとなっており、比較的安価ながん予防法・予防薬の開発が期待されています。また開発研究や介入研究だけでは、たとえ効果的な方法が開発されたとしても一部の健康マニアの人にしか使ってもらえないということも想定されます。疫学や公衆衛生の分野では、健康意識の低い(リスクが集約し、罹患率・死亡率の高い)人にどうやって正しい情報を届けて、行動変容を促していくかが大きな検討課題になっています。わたしが専門とする二次予防(がん検診)においても、この影響は明らかで、2年に1回受けるべき検診を毎年受けている「受け過ぎ」と生涯受けたことがない「受けなさすぎ」の二分化が進んでいます。予防法の開発にあたっても、薬剤の開発だけにとどまらず、普及・実装という観点を踏まえた検討が今後は必要です。より拡がりのある「がん予防学」の発展につながりますよう、本学会を支えていくことができれば幸いです。どうか皆さんご協力よろしくお願いします。